「検定絶対不合格教科書 古文」(田中貴子)

「教科書」のぶぶんはとてもおもしろい。既製の教科書は毒気がぬかれてて、肝腎なところは隠されてるしね。でも知ってる学生はちゃんと知ってて、「笑う大天使」ファンには光源氏は「増殖ワラジムシ」「性衝動人」「歩く煩悩様」だし、「稚児の空寝」がそーゆー話だっていうのはこっち*1では常識だったわけだけど*2

ただ、著者の主張のぶぶんは論説としてあんまりまとまってなくて、もどかしい。云いたいことはわかるんだけど。

たしかに、なんのために古文をまなぶのかっていうのは、はっきりとしない問題で(っていうか、他の教科でもそうだけど)、逆に特定の目的を排除しないっていうのも必要なのかも。中等教育に文学研究が必要かどうかはわかんないけど、いっさい触れないというのもどうかとおもうし。

検定絶対不合格教科書古文 (朝日選書 817)

検定絶対不合格教科書古文 (朝日選書 817)

笑う大天使(ミカエル) (1) (花とゆめCOMICS)

笑う大天使(ミカエル) (1) (花とゆめCOMICS)

*1:こっちってどこだ?

*2:というか初めて読んだときからそーゆー読みをしていた。