「大正時代」(永沢道雄)
明治大帝の崩御から大正帝がおかくれになるまでのまさに大正時代。
「明治と昭和の中継ぎではない」、「昭和にあるものはすべてあった」というのに納得。筆者の立ち位置に多少偏りが感じられるものの、政治、文化それぞれに目配りがあって、大正という時代のようすが立体的に描かれている。
政治史についていうなら、「家族経営的」明治システムの終焉とあたらしいシステムの模索というとらえ方はおもしろい。やっぱり、山縣有朋、西園寺公望、原敬、後藤新平(この本ではあまりふれられてないけど)あたりは今後の研究課題だわ。
それにしても、治安維持法までつくって左翼テロリズムに警戒していたのに、気がついたら右翼テロリズムに国をのみこまれていたというのは示唆的なのかも。
- 作者: 永沢道雄
- 出版社/メーカー: 光人社
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 単行本
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