「対論 昭和天皇」(原武史、保阪正康)

時間がたつと資料も散逸して、証言者もすくなくなっていくものだけど、逆に時間がたたないと論じられないこともあるわけね。先帝が人と語ることばを持たなかったのではないかという指摘はおもしろい。

それとは別に、明治大帝、大正帝、先帝、主上のあいだで、何が受け継がれ何が変わったのかという連続としての見方はこれからもっと取り上げられてもいいように思う。秩父宮が近代皇室にとって初めての第2皇子だったという指摘は目から鱗だった。

今回は新書で対談形式ということで物足りないところが多かったので、つぎはぜひまとまった論攷をよみたいところ。

それにしてもやっぱり一次史料には目を通しておかないとダメね。

対論 昭和天皇 (文春新書)

対論 昭和天皇 (文春新書)