IT推進→教材販売

夕食中に電話がかかってくる。政府の IT 推進に関してのなんとか(早口でちゃんと聞き取れなかった)の申請が送られてきてないとかいうんだけど、全然こころあたりがない。何だかこっちに落ち度があるような口ぶりで話してるんだけど、よく聞いているうちに、どうやらただの勧誘電話らしいことが判明。売りたいのは「PC マスター」とかいうパソコン学習ソフトらしい。値段は50万円(!)。

とりあえずこっちが情報科学専攻であることを話してあきらめてもらおうと思ったんだけど、何故かさらに食い下がってくるので(情報やってる人間がそんなの買ってどうする?)仕方なく向うがあきらめるのを待つことにする。

でも、ただ聞いてるだけでどんどん話が進んでしまって何か契約の言質を取られるのも困るので、ここまでの話で疑問に思ったことを片っ端から質問してみた。まず、電話をかけてきた主体を確認。最初に云っていた政府云々の話はただのはったりだったらしく、政府とはまったく関係ない「E-JAPAN」とかいう企業らしい。政府からの助成などもいっさいないとのこと。

次に途中で某大手メーカーの F 社 と S 社 が関係してるとか云ってたので、そこもつっこんでみたところ、たんに両者のマシンとソフトを使っているということだけらしい。これもはったり。

で、今度は「PC マスター」なるソフトの詳細を質問してみるが、聞いたこともない用語が出てくるだけでまったく内容がわからない。さらに詳しく聞こうとすると「何が判らないのか」と逆ギレされて話がすすまない。こんなんで買う人いるのか?

そうこうしているうちにようやく売り付けるのをあきらめてくれたらしく、話の引き際に研究の内容を聞かれる。ここまでの話で向こうは学問としての情報科学についてまったく知識がないらしいことが判っていたので(もしかすると「情報科学」という語も知らないのかも)「自然言語処理」という言葉を出してもややこしくなるだけだし、自分のやってることのなかでいちばん情報から離れた話をする(でも、それが今年度の私の研究内容だったりする)。ほとんどいやがらせのように、じっくり丁寧に説明したところ、いたく感激してくれたらしく今後もいろいろ聞きたいので個人的に連絡先を教えてほしいと云われる(笑) まあ、これはダメもとみたいな感じだったので、即却下。代わりにこの分野に興味があるなら基礎から学習できる文献を紹介するからって云って、「言語の科学」をいやがらせに紹介しておく。多分読まないだろうな、彼。(それにしても、電話連絡してきて連絡先を教えてほしいっていうのはどーゆーことだ?)

結局、そんな感じで電話を終えたのだけど、都合30分ぐらい話してたのかしら。話している途中で、向こうがこちらの名前と電話番号以外の情報をもっていないことが判ったのでかなり気楽に話すことができました。今度かかってきたらぜひ内容を録音して詳細に検討してみたいところ。