「はやぶさ」エンジン-C 起動

プレスリリースによれば、不調で使用していなかったエンジン-C の起動に成功したとのこと。稼働時間がいちばんすくないエンジン-C がつかえるようになったということで、負荷分散ができて、すこしはよい状態になったというところかしら。

あと、このあいだのISAS メールマガジン152号での、リアクションホイールイオンエンジンだけだと2軸ぶんの姿勢制御しかできないのを、太陽光圧力で1軸をおぎなって3軸制御を試行しているという報告。

今行っている推進と姿勢制御は、なにも「はやぶさ」の特殊事情に対応するためだけの緊急避難措置ではありません。今後、木星に到達する長距離宇宙船を、日本国単独の技術で達成しなければならないと私は考えています。
その一例が、大型膜面太陽電池をスピン展開し、大面積で太陽光を集め、これを電力に変換し、イオンエンジンをドライブする「ソーラー電力セイル」です。膜面の展開、姿勢維持、スピン速度調整、等には太陽光圧を積極的に利用しなくては成り立ちませんから、その良き練習台 (テストベット) なのです。

ただ帰ってくるだけじゃなく、ちゃんと「次」を見据えて、いろんな試行がおこなわれているのがすばらしい。