読んだつもり

べつのしらべごとをしていて偶然、「日本語に主語はいらない」(金谷武洋)(とあと一冊)についての沖野真人さんの批評を読む。

この本はだいぶ前に目次だけ読んでいて、なんで目次だけでやめてしまったかというと、それだけでじゅうぶんヤバい本の気配がしたからだけど、やっぱりそれなりにヤバい本だったらしい。

ただ「日本語動詞の形態論的分析による自他の区別」(上記批評より)の部分は気になるので、その部分だけでも読んでみようかと。自他どちらにでも使える動詞は、自他両方に属するのではなく、自他の機能が未分化(そもそも自他の区別がない)っていう説は以前からあるけど、けっこう魅力的だものね。

それにしても、日本語教育の人たちって形態や音韻のあたりは鋭いんだけど、統語や通時的な論拠が弱いっていう印象があるのは、サンプル数が少ないだけにきっと偏見なんだろうな。