男の子向けの趣味

それはたとえば、車であったり鉄道であったり、あるいはプロ野球であったり、レースであったり格闘技であったりするわけなのだけれど、どうやら私はそういうものに対する一般的な興味と情熱が基本的に欠落しているらしい。

「どこそこの球団の誰某」とか「何々のレースでなにがしの馬が」とかそういう話がぜんぜんぴんとこない。それは単に知識がないということではなくて、私の中でそれらが個別の概念として分節していないということなんだと思う。

一応、理科少年であった私だから機械とか技術とかにはそれなりの興味があって、鉄道とかロケットだとかは好きなんだけど、だからといって「これの型番はなになにで、どれそれの発展形で」とかを網羅的に云えるわけじゃない。せいぜいいつもと違う電車が来たら新しい車輛かと車体番号を見てみる程度(でもその番号もほとんど覚えていない)。自動車にいたってはいまだに大まかな車種すら知らないありさまだ。

たとえば、昆虫採集であったりガンマニアであったり、上に書いたものも含めて男の子の趣味っていうのはたいてい何かを分類しその名前を覚えるっていうのがその基本ではないかと思っているんだけど、おそらく、私は何かを類別し名前をつけるということに無頓着で、その体系を概念として引き受けられないんじゃないだろうか。ひとくくりでごろんと転がしたまま、それを細かく分けていくという愉しみをあまり感じられないのじゃないかしら。

(gap)

もしかすると、私の趣味は個別ではなく類型に起因していて、類型に該当する条件さえ満たしていれば個別のことは実はあまり問題にしていないのではないか。そしてそれは外界そのものではなく自分の中に映った外界の影だけにしか興味をもてないということかもしれない。

……って、愛がないなあ、私(苦笑)