映画評論

ひょんなことで、「エイリアン4」を見た。さすがに4作目ともなるとひどいもので、演出のメリハリはないわ、脚本は下手だわでかなりどーしようもなかった(まあ、グレムリン2よりはちょっとましだったけど)。

で、見ながら思ったことをちょっと。まず、ストーリーってのは作り手側の都合に合わせて作るものだけど(水の中のシーンがほしいだとか、このシーンでは登場人物を3人にしたいとか)、ただその都合(必要性)だけですすめちゃうとそれは物語にはならないわけで、それを上手く導き出す理屈(必然性)を書き込んで初めてまともなストーリーになるはず。それが、気の抜けた映画(の脚本)ってのはどーしても必然性の部分が適当で(観客が同意できない)、都合ばっかりで話を進めてしまう。それじゃあ、物語がちっとも伝わってこない。

さらに、この映画の場合、柱になるような物語の軸がいくつもあった割に、そのどれもがちゃんと書き込まれないままになっててなお酷い(リプリーのエイリアン化ってネタはもっと上手い使い方ができるはずなんだけど)。

まあ、とはいえ、ホラー映画なんだから観客恐がらせて、エグイ映像を見せとけば、脚本なんて別にそんなにストーリーがなくてもいいじゃないってのもありだと思う。ところがこの映画ときたらそれもだめで、前者はもう論外(間の取り方が悪くてギクリともしない)、後者も人間の方はいろいろエグくしてたけど(凍って砕ける死体とか、後頭部かち割られて小脳?引きずり出しちゃったりとか)、クリーチャーはどうしてもあの「見慣れた」エイリアンだし。ま、その意味じゃちょっとハンデがあるけど、それぐらい乗り越えられなきゃ「エイリアン」作る価値ないし。

あと、クリーチャーをCGで作るのはどうにも(今の技術だと)映像が軽々しく見えてしまうので、できればちゃんと作り込んで欲しいな。