森には真理が落ちている

「森は都市の原風景である」とか誰かが云ってたけど、盆地生まれの私にとっての原風景は「山の」森であり、「お山」は畏怖の対象になる。それは祖霊の住まう領域であり、死者の世界と重なりあっている。

森の風が昼なお冷たく、夜ともなればもはや退っ引きならない気配が漂うのはそのためだろう。と、買物の帰りにそんなことを考えてしまうほど北大和は山深い。(でも、京都の森はまとわりつくような微熱がたちこめている。たぶん、祖霊の他にもいろいろなモノが巣食っているに違いない。都市から生者と死者が境界に浸み出してるんだろう。)